2019年の人材動向予測、IT分野の求人が急増
第4次産業革命とIT関連のスタートアップ企業の急成長により、2018年はIT分野の人材、特に高級人材のニーズが急増した。
2019年も引き続きこの分野の採用ニーズが高まるとされる。それに伴い、会計財務、販売・マーケティングなどの分野も、2019年に最も求められる人材と予測されている。
イギリス人材紹介会社Robert Walters社が12月6日に公表した年間給与調査の結果では、▽採用市場に関する最新情報、▽各業界の専門家のアドバイス、▽業界ごとの給与予想が更新されており、ベトナム市場に焦点を当てた2019年の人材動向の全体像を見ることができる。
Robert Walters VietnamのAdrien Bizouard社長は、「2018年の給与は、ベトナム経済の安定に伴い、落ち着いてきました。業績の安定した業界では、福利厚生が手厚いため、給与額が高くない求人にも応募者も見られました」と話す。
多くの企業でデジタル化が広まる中、2019年のIT分野の人材は、引き続きニーズが高まる。特に各業界で、従来のマーケティングから、オンラインでのマーケティングへの移行が見られ、デジタル分野のスキルを持つ応募者が、非常に有利となっている。
■テクノロジー分野の給与が最高額
Robert Waltersの報告書では、2019年の人材動向予測と共に、分野ごとの給与動向も公表している。
会計財務、人事、企業法務、経営管理、販売・マーケティング、サプライチェーン、テクノロジーなどの各分野では、高いレベルの求人増加が見込まれ、それにより、転職後の給与も平均で20~30%上がると予想されている。特にテクノロジー分野では50%上昇するとされている。
具体的には、2019年に会計財務分野に転職した場合は15~20%アップ、人事分野は20~30%アップすると予想されている。企業法務・経営管理部門での採用活動は、5年以上経験のある貿易専門の弁護士が不足し、依然として高い給与水準になると予想されている。
企業内での法律や法令順守に関する専門家は、スキルと経験に応じ、転職時で20~25%の給与アップとされる。
販売・マーケティング分野では、転職で15~25%の給与アップ、高級管理職では25%以上増となる。
しかし、医療分野やヘルスケア分野の販売・マーケティング部門では、それほど上がらず10%増。
一方、食品・飲料、電子、自動車生産などの産業分野では、人材不足が予測されるため、15~25%増とされている。
化学物質や畜産など特殊な技能が必要とされる一部の分野では、30~40%増が予想されている。特にテクノロジー会社の成長により、専門スペシャリスト、技術設計、商品管理、インターフェイス設計、ユーザーエクスペリエンス(UX)などの職種への採用ニーズが高まった。こうした職種は2019年も引き続きニーズが高い。
ビックデータ、マシーンランニング、機械学習、人工知能(AI)の発展により、データ管理職、データエンジニア、データ分析スペシャリストなどの職種も、ニーズが高まるだろう。これらの業界では20~30%の給与アップが見込まれる。特に経験者は50%以上アップするケースもあるだろう。
(Thoi Bao Kinh Te Viet Nam 12月10日,P.12) ※上記の情報は【ベトナム最新情報】より引用しています。 『ベトナム最新情報』は、ベトナムに投資・進出する日系企業の定番ビジネスニュースです。 詳細は『ベトナム最新情報』(https://www.toho.com/news/)をご覧下さい。
(2019/03/19 05:31更新) |