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コラム |
ベトナムの結婚式:都会と田舎の“ルール”の違い
■都会の結婚式
都会人なら誰もが、都会の結婚披露宴に出席する大変さを知っているだろう。何十キロも離れたレストランで開かれることもあれば、渋滞に巻き込まれ、雨降りに洪水と、全身ずぶ濡れになってしまうこともある。
やっとのことで会場に着いても駐輪場探しに一苦労、テーブルに着いても延々と待たされることになる。
「受付:17時30分、開宴:19時」
招待状にはこうもはっきりと書いてあるのに、定刻に始まることはまずない。時間通りに来てしまった人は、ぼんやりあくびでもしながら後から来る人を待つことになる。時計が19時30分を回ってからようやく始まる場合もあり、それから延々と新郎新婦の馴れ初めから親の許しを得るまでのエピソードを聞かされ、「お父さん、お母さん、生んでくれてありがとう」、両家で杯を交わしては両家の代表が招待客に長々と謝辞を述べ、客はもう気絶寸前。なかには20時を過ぎて、客の腹がグゥグゥと泣き叫んだところでようやく前菜を持ってくるようなレストランもある。
実際に私はある結婚式で“お預け”を喰らった中年男性が、低血糖になり気を失った現場を見たことがある。その時は砂糖水を飲ませて応急処置し、家人を呼んで連れ帰ってもらった。
そんな経験もあって私は結婚式に行く前には何か少し食べていくよう心掛け、それを友人にも勧めている。
さらには都会の結婚式はどこでも客の鼓膜を破壊したいのかというほどの音量でバンド演奏があり、誰かと喋るなら喉が腫れあがるほどの大声が必要で、そうしたところで相手に聞こえているかもわからないのである。
■田舎の結婚式
先日、Kien Giang省で行われた結婚式に出席した。妻の従兄弟の結婚式で、妻が母の喪中であったため私が代理で行くことになった。
新郎の彼はスラリと背が高く、さわやかな顔だったが、30を過ぎての結婚で、親戚達は選り好みしすぎて婚期を逃した、などと言う。田舎では、その年齢ならすっかり行き遅れなのである。花嫁さんは愛らしく優しい学校の先生だった。
さて、田舎で行われる結婚式に出席したのは初めてだったのだが、興味深いことが幾つもあった。
結婚式は、その町で一番のレストランで行われ、私は新郎側の親戚だったため早めに会場に行き、客を迎える手伝いをした。ところが招待状には夕方5時からと書いてあるのに、4時過ぎにはもうポツポツと客が来る。面白いのは、人が揃うのを待つことなく、レストランはいっぱいになったテーブルから料理を用意し、さっそく食事が始まったことである。誰を待つこともなく。そして5時にはほとんどの客が揃い宴もたけなわ、主催者がステージで簡単な挨拶を済ませたときにはもう多くのテーブルで食事も済み、そろそろおいとましようか、というような様子だったのである。
続いて今度も妻の親戚のCa Mau省で行われた結婚式に出たのだが、Ca Mau市から小舟で1時間ほどかけて会場に行く必要はあったが、披露宴は昼に行われ、それは酔っ払っても客が休んでから、夕方家に帰れるようにということだった。夕方に始めれば帰りが遅くなり、夜も更けて危険なのである。
招待状には11時と記されていたが、やはり10時半には客が揃い、宴も簡単で、12時過ぎにはもうお開き、のど自慢をする若者達のテーブルが幾つか残るだけになった。
都会人も、田舎の結婚式の良いところを、見習ったほうがいいのかもしれない。
(Phap Luat)
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(2016/03/26 08:22更新) |
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