週4回(月・水・金・土)電子メールで最新ベトナムニュースを送付、日系進出企業の定番情報収集メディアとなっています。 |
 |
定期購読(TheWatch) |
|
コラム |
遅れていくのがマナーです!? サイゴンの結婚式
とある日曜の夜のこと。サイゴン中心部の豪華ホテルで開かれた結婚式に出席した。両家も“ゴムの時間”をよく分かっていたのか、招待状には「開場18時」「開宴19時」とあった。
しかし19時15分になっても会場はひっそり、19時30分になってもまだ静かで、早くきた客ばかりか、新郎新婦にご両親とも、やきもきして出たり入ったり。
19時45分に式はようやく始まったのだが、主催者も招待客の苛立ちを感じてか、儀式は簡単、あっという間に行なわれ、それでも最初の料理がテーブルに出てきたのは20時5分だった。
『Tuoi Tre』紙に先日掲載された、結婚式が時間通りに始まらないことを憂う読者の「結婚式の“ゴムの時間”――サイゴン人はなぜこうなのか」という投稿に、多数の読者からコメントが寄せられた。
その反応を見てみると、投稿に賛同する声がある一方で、仕方ないじゃないか、といった意見もまた、多かった。
■面接じゃないんだぜ!
サイゴン人に共通する心理として、着いたらすぐに式が始まって欲しい、というのがあると思う。他の人を待ちたくないから、だからちょっと遅く行く。早く行って座っていても、手持ち無沙汰だろう?
僕だっていつも遅れて行く。だいたい招待状に書いてある時間の30分後くらいに。着いたらちょうど始まる頃だから、ちょっとは待つこともあるけれど、長くは待たなくて済む。友人もみんなそう。時間通りに行く人なんてほとんどいない。結婚式だろう? 仕事の面接じゃないんだ。時間通りに行く必要なんて、ない、ない。
だから自分の結婚式の時にも、17時開場、18時開宴って書いておいた。でも招待客がなんとなく揃ったのは18時30分。花婿として、待つのはやっぱりイライラする。結婚式の数日は何やかんやと忙しくて、いざ結婚式の時間になってもなんだか落ち着かない。ヤな気分だね。でもどの結婚式だってそうなんだ。招待客の“ゴムの時間”はもう習慣。だから、我慢するしかないんだよ。それに、自分が決めた時間だって、友人達は仕事帰りで間に合わなかったかなぁって思ったし。渋滞にはまっちゃったかもしれないしね。だから笑って、気にしない、気にしない。
(25歳男性 個人販売業 ホーチミン市9区)
■田舎は時間通りだけど?
僕はサイゴンの結婚式には行ったことがないけれど、サイゴンの人たちは招待状の時間から30分、時には1~2時間も遅れて結婚式に行くって話はよく聞く。
でもちょっとヘンだと思う。僕が住んでいるところは、みんな早い。先週は自分の結婚式だったけど、招待状に11時と書いていたにもかかわらず、10時30分には友人達が来ていた。座ってよもやま話、新郎新婦に結婚式の準備はどうだ、仕事はどうだって。11時にはもうテーブルは人でいっぱい。11時10分には最初の料理に箸がついて、12時前にはお開き。
僕の結婚式だけじゃなくて、このあたりじゃみんなそうだ。僕だって、人の結婚式には、招待状に書いてある時間より1時間も早く出かける。その日は友人の結婚式だって事前に分かっているから、仕事は片付けて、時間になれば行くだけだし、自分が待つのはいいけれど、人を待たせるのはおかしいじゃない。早く行った方が新郎新婦も、本当に喜んでくれていると感じるんじゃないかな。親しければ親しいほど早く行って、気持ちを示すってものじゃないか。
もちろん、交通事情も1,000万人近くのサイゴンとは違うし、田舎の仕事も大抵は畑仕事だから、自分の好きに片付けられるっていうのはあるけれど。だからって、サイゴンの人に時間通り行く方法がないわけじゃないだろう。重要なイベントだと思って、自分が待つのがイヤなら、人もまたそうだと思って、人を待たせるのはおかしい、ダメだと思えば、時間通りに行くようにできるんじゃないかな。
(26歳男性 国家公務員 カントー市)
■外国人だって「もう慣れた」
もう何十回と結婚式に出席しているけど、時間通りに始まったものは、見たことないね。なかには2時間も遅れて始まったこともある。
言及すべきは、非常に多くの結婚式で、新郎新婦が「時間通りに始めます」と招待状に書いていて、前日にも、一人ひとりに電話を入れているにもかかわらず、結果は何も変わらない、というところだ。
残念なのは、結婚式に外国人が来ていて、こんな状況になってしまっていることだけど、なかには「大丈夫、大丈夫。もう慣れたから」と笑う人もいるね。
遅れて行くことが、誉められたことじゃないのは分かっているけど、それでも僕はいつも遅れて行く。仕事の時は、時間に正確だけど、結婚式とかパーティーの時は、1時間ほど遅れて行くことにしている。同僚や友人達も、みんなこんな矛盾を抱えているけど……やっぱり変えられないんだ。これが都会人の習慣だからね。
(28歳男性 会社員)
(Tuoi Tre)
※『ベトナムニュース The Watch』のご案内※
ベトナムニュース The Watch は、ベトナムに投資・進出する日系企業の定番ビジネスニュースです。
当社はEメール配信による速効性(週6回)、週報(ベトナム国内のみ)による情報の保存性を重視し、各進出日系企業及びベトナム進出を検討されている企業の皆様の業務に役立つ本格的な情報提供を行っております。
詳細は『ベトナムニュース The Watch』(http://www.thewatch.com/)をご覧下さい。
(2014/03/22 01:34更新) |
|