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ベトナムファッション業界、世界進出に向けた課題


 ファッションブランドNinomaxxを展開するVietファッション社の社長Nguyen Huu Phung氏は、今後の戦略や外国製品との競争について「恐れることは何もない」自信を持つ。

■ブランド確立急ぐ国内組
 ファッション市場では現在、Ninomaxx、Blue Exchange、An Phuocなどベトナム製品以外に、中国や香港、タイ、韓国の製品が多く流通している。ベトナム企業は高級品では劣勢だが、18~35才のアッパーミドルクラスの所得層をターゲットにした製品では有利な立場にたっている。

 とは言え市場はまだ発展初期にあり、ベトナム製品がどれほどの強みを持っているかは計り知れない。ホーチミン市縫製協会のBui Trong Nguyen会長は「我々の市場シェアは30~40%で、50~60%が外国製品」と話す。外国企業が様々な戦略を持って押し寄せる中、ベトナム企業はいずれもシェア奪還を狙っている。

 国際家庭用品社(ICP)は今年初め、男性ファッションブランドX-seriesを打ち出した。同社の男性向けケア用品ブランドX-menの知名度を利用した戦略をとる。生産はタイや香港、国内のパートナーに委託し、現在11ある店舗を年内には25店舗とし、さらにフランチャイズ展開することを念頭においている。

 X-seriesについてICPのPham Dinh Nguyen副社長は、「ブランドが目指すスタイルは『本物の男性』。1つの製品ラインに集中するつもりはなく、男性の風格を備えた様々なラインを作る。ファッション用品はその中心」と話す。これは、他分野ですでにブランドを確立している企業がファッション業界への参入をにらむ際に持つ共通の考え方のようだ。

 ベトナムの縫製企業はすでに、加工を請け負うだけでは生き残れないという結論に達している。だが自社ブランドの確立は容易ではない。

 ベトナム企業は今、ブランド確立に向け様々な戦略を試している段階だ。一部では外国風のブランド名をつけることで、一見しただけでは会社名がわからないようにしている企業もある。

 代表的なものにPhuong Dong社の「F-house」、Sai Gon 2縫製社の「Sanding」、Thanh Cong縫製社の「GenX」、「Nam Man」、Viet Tien社の「Vee Sendy」、「T-up」などがあり、この外国風のブランド名が、国内メーカーの存続の道に光をともしている。

 しかしこれについてホーチミン市のある縫製企業の社長は、「各社が新ブランドを次々と作り出し、上手くいかなければすぐに引っ込め、上手く行きそうだとなれば発展させるという状況。市場には西洋風の名を持つブランドが溢れ、消費者は惑わされ、企業は安定したブランドを確立するのが難しくなる」と賛成できない意見を述べる。

 西洋風の名を持つMade in Vietnamのファッションブランドを発展させることは容易ではない。Viet Tien社のT-upは誕生からしばらく経ち、多額の投資もなされたがいまだ地位を確立しきれていない。Phuong Dong社のF-houseもデザインが単調で、中国や韓国、タイ製品に太刀打ちできない。

 明らかなことは、競争するには外国風のブランド名をつけるだけでなく、別の斬新な手を打ち出す必要があるということだ。「差別化するかあきらめるか」、各社がその答えを迫られている。

 X-seriesの戦略は、まずはデザインと品質、次にスタイル、そしてもうひとつ欠かせないのが統一した店舗の設計だ。Nguyen副社長は「単調でも奇抜でもなく、フォーマルな席にも遊びに行くときにも使える服を作りたい」と話す。X-seriesの店舗の入口には、大きな「X」の文字が据えられている。

 X-seriesの戦略についてVietファッション社のPhung氏は「実現にはデザイナー陣の強力なサポートが必要だが、ベトナムでは難しい問題」と述べる。ベトナムではファッションメーカーとデザイナーの足並みが揃っていない。

 メーカーが独自のスタイルを持ったブランド確立を熱望する一方で、その思いについてこれるデザイナーはいない。技術的に限界があるうえ、ほとんどが海外で短期間の研修に参加した程度で、世界のファッショントレンドをつかむにいたっていない。

 Viet Tien社のT-upは、ベトナム文化に精通し、国際的な経験もある越僑のデザイナーと協力している。

 X-seriesは、イギリス人とベトナム人のデザイナー4人が組んだ。このイギリス人デザイナーPaul Dalgleish氏は、同国のファッション業界で20年の経験を持ち、ベトナムで2年前にSmart Tailorという会社を立ち上げた。

 ICP社のPham Dinh Nguyen副社長はファッション製品を手がけた経験がないから、Paul氏の会社と協力する道を選んだと話している。

■マネジメント手法の改善で世界も視野
 マネジメントもブランド確立を目指すファッション企業にとっては重要だ。Vietファッション社Phung氏によると、一般にファッション関係の企業がプロフェッショナルと言えないのは、マネジメントシステムが整っていないことが原因だ。この状況を打破するには、経験を持つ者と連携する他に方法はない。

 これが、Vietファッション社がIndchina Capitalに株式20%を売却するかたちでパートナーとして招くことを決めた最大の理由だ。今後5年にわたり年30~40%の成長をし、アジア地域のトップに立つことを長期的な目標に据えている。

 まずはマーケティングや資本力をステップに、BossiniやBaleno、その他続々と参入してくるであろう海外ブランドと肩を並べることを目指す。Phung氏は、「規模やマーケティング能力で彼らは強い。だがライセンス譲渡形式をとるためデザイン面で柔軟性を欠く。資金やマーケティングについて入念に準備すれば、十分渡り合える」と話す。

 パートナーを得たことで国際市場へのアプローチも有利に進められる。アメリカ市場への進出を考えているというPhung氏は、「決して難しい市場ではないが専門性が不可欠。Indochina Capitalの名前とサポートで、確固たるブランド構築を目指す」と話す。さらに他ブランドとの差別化も望める。Phung氏は具体的なことには触れなかったが、今後の可能性をにおわせた。

 戦略的投資家との提携以外では、ライセンス譲渡と製品の「真似」がベトナム企業の選択肢だ。長期にわたるPierre Cardinとのライセンス契約を経て、An Phuocはフォーマルなラインの製品を独自に生み出すことを始めた。

 これらはPierre Cardin同様のスタイル、カラー、デザインだが、価格は30%以上も割安だ。ライセンス契約は、力をつけ「独り立ち」することを前提としているベトナム企業にとって非常に効果的な方法である。

 同様の目的をもつSai Gon 3縫製社は、自社で加工を引き受けるLevi’sに倣ったジーンズEvenaを試験的に販売した。しかしAn Phuocとの最も大きな違いとして、An Phuocが「Pierre Cardinと同じ製品」と発信するため強固な流通網を築いた点がある。Sai Gon 3社は商品を知っている人に対応するのみで、ブランドを拡大することを重視していない。

 ライセンス契約と商品の模倣から得られるものがあることは否定できないが、それだけでブランド構築は成功しない。

 An Phuocは自社ブランドの価値を高めるためにPierre Cardinの商標を利用しているが、この2つを切り離そうとすれば、そこに違いを作り出すことは難しい。すでに圧倒的な力を持つPierre Cardinに対抗しようとすれば、そこには並々ならぬ努力と決断が求められる。

 Vietファッション社のPhung氏は「フランチャイズ展開を望むなら、強固な管理システムを作ることが大前提。管理に失敗すれば自社の信頼を失うことにもなりかねない」と話す。

 Ninomaxxはこの教訓を身をもって経験している。1990年代後半に国内外でフランチャイズ展開したものの、マーケティング、管理、流通の弱さから全て失敗に終わった。

 それでも国内市場の飽和から、多くのファッションブランドが、販売増、ブランド拡大を狙い海外に目を向けている。

 FociやNinomaxxはカンボジアやラオスに狙いをつけた。Viet Tien社やThai Tuan社も海外市場への拡大に取り組んでいる。だが現時点では海外に進出した企業はわずかで、ブランドと呼べるまでにいたっていない。ベトナムのファッション業界は今一度、個性的な商品の発信とデザイナーとの連携という基本に立ち返るべきなのかもしれない。

(Nhip Cau Dau Tu)


(2008/05/16 05:21更新)

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